『書店繁盛記』

田口久美子 

ポプラ社 

2006年9月発売


以前はリブロ、現在はジュンク堂に勤務されている書店員、田口久美子さんの著書。リアル書店ならではの楽しさ、面白さ、素晴らしさ…辛さ、苦悩、怒り……忍耐、不条理、矛盾、絶望………そんな、本屋にいても書店員さんからは伝わってこない様々な感情が一気に本からは伝わってくる。それにしても自分も約10年、販売の仕事をしたけど、こんなヘビーなお客様達に遭遇したことはない。田口さんの日々の御苦労、本当にお察しします… 

 

本は女性ならではのサバサバした小気味良いテンポと文章で書店内での紆余曲折&喜怒哀楽の様子をレポートしながら、リアル書店VSネット書店の構図、海外書店の現状、出版社・取次・書店の流通形態のカラクリなどなど。書店業界の裏側、赤裸々な話しも色々してくれていた。リアル書店に毎日通うことはなくなったけど、田口さんのような本を偏愛している書店員さんであふれた本屋であればやっぱり行ってみようと思う。正直、ネット書店も利用している。だけどリアル書店も本当に頑張れ!!!応援しています。文庫版も出ているんだけど、単行本のこの表紙の方が自分はやっぱり好き。