『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』

渡邉格

講談社

2013年9月発売


県外なんて存在するのかってくらい。市内ですら、この一年飛び出していない。でも、時間を見計らって外出するようにはなった。そんな中で行った、倉敷みらい公園で開催されていた朝市。人の多さに不思議な感覚に陥ったけど、パンやコーヒー、花に雑貨。そんな中で岡山の玉野にある本屋「451ブックス」がトラックでやってきてくれているのを発見。「不思議なパン屋」が起こす、静かな革命。面白そうと思って手に取ってみたら岡山のお店の話だった。迷わず購入。

 

店内に朝から漂う良い香り、爽やかなイメージ。でも、パン屋で働いていたという同僚からブラックな話を聞いたことがある。夢枕に現れたという祖父、父に勧められたという哲学者マルクス。二つの出来事が著者の人生に不思議な反応を起こしていく。資本家だけが儲かる構造からの脱却。田舎できちんと休みも取りながら、きちんとしたパンをきちんとした価格で販売する。関わっている人がみんな幸せになる。まさにそれは約束の地であり桃源郷。これで世界に平和が訪れるのか…どうかはわからない。少なくとも、日本にそういう場所があるのは確かみたいです。「パン屋タルマーリー」いつか必ず行ってみたいお店。