雑誌
マガジンハウス
2003年11月発売
凄い…雑誌は眺めるものではなく、読むものだと自分自身に言い聞かせていたけど、その事実をまざまざと見せつけられた感じだ。倉敷の古本古雑貨の店「水滴堂」にひっそりと置かれていた一冊。確かに面白そうだから買った。改めて読んでみれば、ため息の出るような充実の内容。広告記事にすら全幅の信頼を置いて読んでしまった。今はとにかくウーロン茶が飲みたい。
「ロシア週末の家」「おはぎとぼたもち」「大人のためのリリアン編み」。突然に展開される記事。どれもテイストは合わせてあるんだけど、特に連動性は感じない。特に説明もない。でも続けざまに読んでいくと。凄い…読み飛ばせるような適当に書いたと思われる記事がまるで見当たらない。だから、読み飛ばしがちな中盤から終盤にかけてよくある小さな記事も一つ残らずスルーできなかったし、いきなりなんでと思ったチンパンジーのアイとアユムの話も結局一気に読めてしまった。最後のページが編集日記とかでもなく孤独をテーマにしたエッセイで締めているというのも秀逸の一言。こんな満足感、雑誌を読んで味わったことがない。なぜ往年のファンの方が泣きながら、昔はよかったと言う理由がこれでよくわかった。
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