『白洲正子“ほんもの”の生活』

単行本

新潮社

2001年10月発売


食器棚を本棚にするということで、母から読み終わった本は売らずに持ってきてほしいと言われた。本を手放すことに抵抗はもう全くないけど、そういうことなら喜んで。手に取るとこまではいっていたけど、買わずに帰ったらやっぱり気になってきて、慌てながら翌日にもう一度買いに走った記憶がぼんやりとだけどある。間違っていたらごめんなさい。倉敷「蟲文庫」で買ったと思う。たぶん。

 

積読10年のエイジングが効いたのか。生け花や器、着物。ただ単純にだけど、これらを見て本当に美しいと感じれるようにはなった。本人と家族、親交の深かった人の言葉。両方が収録されているけど、ちぐはぐな感じが全くなくて、白洲正子という人が何者であったのかが、鮮明にはっきりと浮かび上がってくる。「白州さんは多分、絶対に見せたくなかったんじゃないか……」。遺品の整理をしていたら見つかったという油彩画を始め、様々な人間との交友録や写真なども多数掲載。表題どおり、白洲正子のほんものの生活を垣間見ることができた。残された著書もそうだし、これからどんどん掘り下げていきたい人です。