オオヤミノル
マガジンハウス
2013年5月発売
アリオ倉敷の中にある無印良品で購入。本当にセンスの良い選書と配置に、毎回のように買って帰りたくなる衝動に駆られるから、もういい加減嫌になってくる。倉敷美観地区の中にある「カフェゲバ」のオーナー、オオヤミノルさんの著書。旅行で高知に行くために持参したら、あまりに面白くて行き帰りの電車内で一気読み。ただ本を読み出してすぐに思ったこと。無印のテイストと全然合ってない。深いどころか、超極深焙りな内容の一冊。
コーヒーをロックで例えるあたり、これで一癖も二癖も無いわけがない。どんだけ独自のコーヒー理論を語りつくしてるのかと思ったら…あら?対談相手に木っ端微塵にフルボッコされてる。ヴィンテージやノスタルジーをこよなく愛するオオヤさんが、結果至上主義に重きを置いたサードウェーブの世界をどんどん知っていく様がとてもスリリング。現地に赴いたり、スタンスは明らかにオープンなんだけど、自分の感覚も、信じてきたやり方もなかなか捨て切れない。わかってはいる。だけど、どうにか相手にもわかってもらいたい。揺れ動く一人の焙煎家の心の動きが痛いほど伝わってきた。よくもこんな内面をさらけ出せるよ。ロックンロールな人だ。
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