『煙幕』

ディック・フランシス

早川書房

1978年5月発売


行く前から、ピンポイントに準備されている本屋。こんな本屋、他にはない。香川には頻繁に最近よく行ってるけど、お店自体を訪れるのは数年ぶり。完全予約制の本屋「なタ書」。自分が競馬好きということを知ってくれていて、店主の藤井さんが用意してくれていた。数年前に初めて行った時にも、この本を見かけたような気がするし、その時も同じように勧められたような気もするけど…今回は購入。

 

なぜか、ハリソン・フォードをイメージして本を読んだ。映画俳優の主人公が、叔母が所有している競走馬の様子を見るために南アフリカに飛ぶ。ざっくり言うとそんな話。騎手で小説家でもあった、ディック・フランシスの競馬スリラー。続き物なのかどうかはわからないまま読んだけど、この本単体でも十分楽しめた。が、この作品に関してはミステリーの要素は皆無。楽しみにしていた競馬の描写も薄い。だけど、クライマックスに向かっての様々な出来事は、手に汗握って一気に読めてしまった。今度はもっと、ミステリーと競馬要素が盛り込まれた作品が読んでみたい。他の作品も置いてあった。「なタ書」に行ったら、またこの作家だ。

 

 

『本の街あるき NO. 75』