町田康
講談社
2010年4月発売
けっこう犬だっていたけど猫の街、尾道。猫の細道も歩いたし猫とも戯れた。そうなるともう勝負は早い。店内に入って見かけてすぐに決着。古本屋「弐拾dB」で購入。
「猫じゃらしなどを振ってやると格別で、狂気して飛びかかってくる。自分も多忙をきわめる身なので、一日に四時間ぐらいしか振ってやれないが」。さすが自由業、この一節でいきなりギョッとさせてもらった。親バカならぬ猫バカ。とにかくゲンゾー&ココア、二匹の猫にデレデレもデレッデレ。しかも頭が上がらない。しかもなぜかお伺いを立てるようにいつも敬語。終始頭が上がらないまま嬉しそうに嬉々として文章を綴っている。なんて幸せに溢れた自己満足極まりない一冊なんだ…これが全編にわたってしまうと、先日読んだシーナさんのように疎外感満載で本を閉じなきゃいけないんだけど、ここに真摯な出来事が加わるのが最大のポイント。町田さんだって読んでるこっちだって決して本意ではないけど、確かに猫に対する真剣で真面目な愛情が伝わってきてしまった。読み終わったらすごい猫にかまけたくなってきた…猫アレルギーって自然に治ってるものなんだろうか…今度血液検査行ってみるか。
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