長井勝一
筑摩書房
1987年9月発売
素晴らしく面白い一冊だった。初めてマンガに出会った時のように。夢中で一気に読んだ。日本初の青年漫画雑誌「ガロ」。本はその創始者で編集長の長井勝一さんの自叙伝。本は岡山「古本ながいひる」で以前に購入。現在放送中のドラマ「重版出来!」に影響されて、積読本から引っ張り出しました。
表紙をめくると出てくる著者近影。その真面目そうな印象からはとても想像できないほど、長井さんの「ガロ」創刊以前のエピソードがぶっ飛んでいて、まずはそこで読者の自分はがっしりハートを鷲掴みにされた。漫画家や編集者、様々な人間が登場してくるけど、何より人として一番面白かったのは長井さん自身。つげ義春や白土三平、水木しげる。こういう人たちが時系列に紹介されているのも、当時のタイムリーな流れを知ることができたのでとてもよかった。長井さん唯一の著書。この雑誌の凄さを知るにはもってこいの一冊だと思う。「過去をふりかえることをしない人間だ」。あとがきでそうおっしゃっている長井さん。自分は過去ではなく現在進行形で。どんどんこの漫画雑誌に触れていこうと思っています。
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