『誰もいない場所を探している』

庄野雄治

ミルブックス

2015年10月発売


「自分の立つ場所は自分で決める」。ネタバレになるので内容は書けないけど、大げさに言ってしまえば、ここに書かれていることが本のすべてでも構わないくらい。自分がここ数年、ずっと心の中でモヤモヤ抱えていた問題の答えが書かれていました。面白い本や楽しい本、タメになる本には今年まだまだ出会うかもしれないけど、心に響いたという点では今年間違いなく一番の一冊。

 

本は大阪の「ブラックバードブックス」で購入。本の著者は徳島県でコーヒー焙煎の仕事をしている庄野雄治さん。31歳で結婚、33歳で子供をもうける。今の仕事を本格的に始めたのは36歳。常識的に考えればもう身動きできないそんな状況。「夢も希望もなかった男が、楽しく幸せに暮らしていくために実践した37のアイデア」。確かに衝撃は受けた。でも奇抜で斬新なアイデアは書いてなかった。だけど、今まで読んだどの本にも書かれていない、ちょっとした違いがこの本の中にはあります。それをずっと求めていた。コーヒーの味についても触れられてなかった。「入金確認後に発送なんていうのはナンセンス」。コーヒーの味はすぐに確かめられるはず。

 

 

『本の街あるき NO. 16』