宇野千代
集英社
1993年10月発売
去年秋、神戸元町にある「ハニカムブックス」で購入。タイトルに惹かれて帰りの新幹線で読み始めましたけど、家に着いてからはパッタリと本を閉じて積読してしまっていた…元祖肉食系女子。今はネットで何でも検索できる時代。波乱万丈なその人生のことを知って、それからまた読み始めました。
恋多き女性、そして98歳まで生き抜いたその生命力。生き方についての343の知恵。文章からも宇野さんのパワフルな息遣いが伝わってくるよう。「幸福をはりめぐらせて生きる」など、前半はポジティブな言葉で埋め尽くされているんだけど、後半になると宇野さんの弱い部分というか本音というか、天性の前向きさだけではなくて、懸命に人生を楽しもうとしている部分が垣間見えたりして、俄然この人の言うことに説得力が増していくように感じました。ある種、スピリチュアルとも取れるような宇野さんの金言が満載の一冊。人生は死ぬまで現役である、老後の存在する隙はない。