『論より商い』

三田村蕗子 

プレジデント社

2008年11月発売


今泉正光さんの「「今泉棚」とリブロの時代」と田口久美子さんの「書店繁盛記」。これらの本を読んで思ったことは1980年代の娯楽、発信者や販売する人。それらを購入する人たちすべてのテンションが尋常ではないということ。当時を振り返れば、確かにそんなテンションはあったんじゃないかと思ったりもする。そんな80年代を代表する象徴の一つともいえるのが、西武流通グループ・セゾングループ。そして代表の堤清二さん。バブル景気も背景に「感性の経営」と呼ばれる、他の追随を許さない自由で斬新な経営戦略で当時の小売業界のトップを独走し続けました。 

 

本はまさにそんな堤チルドレンとも言えるセゾングループ隆盛期を支えた11人の卒業生、セゾングループ出身者の人たちのその後の活躍を追いかけた一冊。いかにセゾンで起きてしまった失敗をみなさんが現在にどう活かしているのかが非常によくわかる内容になっていた。本を読むとみなさん成功されてらっしゃるけど、セゾン隆盛期の堤清二さんの力は半端ではない。それらも伝わってきます。