『世界でいちばん小さな三つ星料理店』

奥田透 

ポプラ社 

2009年10月発売


まるで一昔前のスポ根アニメ。いや、もうなんか…この人凄い…向上心&エネルギーの塊のような人。1969年静岡県生まれ。静岡(割烹旅館)→京都(京料理)→徳島(日本料理)の各地の名店で修行した後、1999年、故郷の静岡で念願の独立、和風居酒屋「花見小路」オープン。そして、お店も繁盛して商売も軌道に乗った2003年、今度は東京、銀座に日本料理「小十」オープン。2008年には「ミシュランガイド東京」で「小十」、見事三つ星に選ばれています。本は奥田さんが二年の歳月をかけて書きつづってきたこれまでの事柄を一冊にまとめたモノ。野球小僧だった少年時代から天下のミシュラン三つ星獲得まで…ジェットコースターのように最後まで一気に駆け抜けていく、非常に爽快な一冊。

 

「小十」オープン後、経営難に陥り、自殺まで考えていたエピソードには驚いたけど、そこからの運命の大逆転劇には読んでいて心底、心を揺さぶられた。本は料理の内容よりも奥田さんの仕事の哲学について、懇切丁寧に書かれています。すべての仕事に役立つ貴重なご意見満載。とにかく読むと元気が出る!