『深夜食堂』

安倍夜郎 

小学館 

2007年12月発売


漫画を知ったきっかけは2009年10月に毎日放送・TBS系で放送された深夜ドラマ。哀愁漂う鈴木常吉さんのアコースティック曲をバックに、マスター役の小林薫さんが大根を切って、コンニャクをちぎり、豚肉を炒めて豚汁を作る…この光景に思わず目が釘付けになってしまいました。 

 

新宿の路地裏、左目に切り傷の跡がある、ちょっと訳あり風の出で立ちのマスターが一人で切り盛りする小さな食堂「めしや」。深夜0時から朝7時頃までの営業時間からお客さんからは親しみを込めてお店は「深夜食堂」と呼ばれている。基本的なメニューは「豚汁定食」「ビール」「酒」「焼酎」、なんだけど注文をすればマスターができるものならなんでも作ってくれる。そんなもんだから「赤いウインナー」に「猫まんま」「ナポリタン」とリクエストするメニューも様々。そして、注文をしてくるお客さんがまた、その筋の人に売れない演歌歌手、ナポリ生まれのイタリア人とこれまた様々。こんなお店が近所にあったら毎晩通っちゃいそう。マスターとお客さんの温かい、ささやかなやり取りの数々がじんわりと心に染み込む漫画です。