『すきやばし次郎 旬を握る』

里見真三 

文藝春秋 

2001年9月発売


日本一のお鮨屋激戦区、東京・銀座に長年に渡って店を構え続けている名店中の名店「すきやばし次郎」の主、小野二郎さんのそれまでにやってきた勉強の成果=門外不出とされる鮨の秘伝を包み隠さず紹介しているのがこの本書なんだけど、まず特筆しておきたいのが、食欲をそそりまくるそのカラー写真の多さ!カメラマン丸山洋平さんの手によるド迫力な近海本マグロの解体写真や、思わず唾を飲み込んでしまう名店すきやばし次郎の春夏秋冬の魚貝類のネタ箱や皿盛りの写真、もし自分が同じ同業者だったらここまで見せていいのかと逆にこちらが心配をしてしまうんじゃないかと思うくらい、余すところなく一つ一つのネタにかける仕事の様子などなど、惜し気もなく写真載せちゃっています。特に玉子焼きの仕事の工程の様子は感動、芸術的!!

 

もちろん本は写真だけではなくて小野二郎さんの聞き書きを文章にした名店の密かな苦労も垣間見える貴重で面白いネタ解説、「次郎鮨ばなし」もしっかり記されている。巻末には本の著者、里見真三さんとの対談も収録。こちらの話も相当に面白かったです。