『菊地君の本屋』

永江朗 

アルメディア

2000年5月発売


初めてヴィレッジ・ヴァンガードに行った時の印象は今でもよく覚えている。入りづらい狭い入り口、歩きにくい店内通路。目に飛び込んでくる黄色い手書きの面白い一口コメントのポップ。普通の本屋には置いてないマニアックな漫画に本。見ているだけでも楽しいアメリカンチックな雑貨の数々。その日はテンションが上がってしまっていたので、奮発してカシオのデータバンクを思わず買ってしまいました。 

 

そんな当時高校生だった自分から、お店に行くたびに限られた少ない貴重なお小遣いを毎回搾取し続けたヴィレッジ・ヴァンガード。本は首謀者、菊地敬一さんの語り下ろし。対談、寄稿文も含むヴィレッジ・ヴァンガード物語。「本屋には夢も希望もあるのだ。」本の帯に著者である永江朗さん、こう書かれていた。一般の読者に向けてというよりも、町の本屋などを営んでいる店長さんに向けて書かれているような本なんだけど、街の本屋さんだけこんな面白い本読むなんてズルい!「売れる」「売った」「すごく売れた」の言葉を何度も連呼する菊地さん。仕事、楽しくてしょうがないんだろうなあ。

 

 

『本の街あるき NO. 68』